《 1:00 PM 公開/更新》
すべての行頭に任意の文字列を加える方法を解説。textarea要素内に入力された複数行の文字列を対象にして、ユーザが入力した任意の文字を1行ずつ先頭に加えます。配列に格納してからループで処理する方法と、正規表現を使う方法との2通りを掲載しています。
既にある複数行の文字列に対して、各行の先頭に任意の文字列を自動追加したいことがあります。
例えば「●」記号を付加するとか、インデント用の空白を付加するとか。
ここでは例として、textarea要素内に入力された複数行の文字列に対して、その各行の先頭に、ユーザが入力した任意の文字列を追加する方法を紹介します。
各行に対して何らかの処理をする……という場合は、とりあえず1行ずつ配列に格納してから、その配列の各項目に対して、ループを使って望みの処理をするのが分かりやすい気がします。いちいち配列に展開したり、その後に結合したりする処理の分、若干面倒ではありますが。でも、分かりやすいですし、応用も利きやすい気はします。「元々配列に格納されているデータ」に対して処理をするなら、この方法の方が楽かも知れません。
◆ユーザの入力欄:
◆文字列リスト:
上記のサンプルでは、『上記の入力内容を、以下の各行の先頭に追加』ボタンを押すたびに、全行の先頭に指定の文字列(デフォルトでは「♪」記号)が挿入されます。
HTMLソースとJavaScriptソースは以下の通りです。
HTMLソース
◆ユーザの入力欄: <input type="text" size="30" id="sampleUserInput" value="♪"> <input type="button" value="上記の入力内容を、以下の各行の先頭に追加" onclick="AddStringToEachLine();"> ◆文字列リスト: <textarea cols="30" rows="6" id="sampleTargetLines">リンゴ みかん バナナ</textarea>
最初にinput要素で入力欄を作り、次にinput要素でボタンを作り、最後にtextarea要素で結果表示欄を作っています。textarea要素にはダミーの文字列を3行ほど記述しています。なお、入力欄の装飾に関する記述は省略しています。
スクリプトから利用するため、ユーザが入力するためのinput要素には「sampleUserInput」というid名を、表示結果のtextarea要素には「sampleTargetLines」というid名を、それぞれ加えています。
ボタンがクリックされると、この後で作成する関数「AddStringToEachLine」が実行されます。
JavaScriptソース
function AddStringToEachLine() { // ユーザの入力得る var UserString = document.getElementById('sampleUserInput').value; // textareaの内容を改行で分割して配列に格納 var nowArray = document.getElementById('sampleTargetLines').value.split("\n"); // 各行を対象にして処理 var retString = ""; for( var i=0 ; i < nowArray.length ; i++ ) { if( !(i == nowArray.length-1 && nowArray[i].length == 0) ) { // 「最後の空行」以外なら処理(=先頭に文字列を追加)を行う retString += UserString + nowArray[i] + "\n"; } } // 表示 document.getElementById('sampleTargetLines').value = retString; }
この例では、「textarea要素内に入力された文字列」を1行ずつ配列に格納して、その配列に対して1項目ずつ「行頭に指定文字列を追加する」処理を施しています。
上記のソースでは、具体的には以下のような処理をしています。
以上です。
若干ややこしいですが、『最後の行が空行だった場合は、最後の行に対しては何も処理しない』という点は、
if( !( i == nowArray.length-1 && nowArray[i].length == 0 ) ) {
というif文で実現しています。
これは、
という意味です。
※配列「nowArray」内の項目数は「nowArray.length」で分かりますが、添え字は0から始まるので、「nowArray.length-1」が「最後の項目番号」になります。
実際に試してみると分かりますが、この条件指定がなければ、処理を実行するたびに余計な行がどんどん追加されてしまいます。(^_^;)
さて、textarea要素に入力された内容はプロパティ1つで一括取得が可能なので、replaceメソッドと正規表現を使うことでも同様の処理が実現できます。
1行の末尾には必ず「改行」があります。そして、「改行の直後」が「行の先頭」でもあります。つまり、正規表現を使って、この「改行文字」を「改行文字+任意の文字列」に置き換えることで、各行の先頭に任意の文字列を追加できます。
ただ、その方法だと「先頭行」だけは対象にならない上、「最後の行」の後に余計な処理を行ってしまいます。そのため、若干の工夫が必要です。
動作サンプルは以下の通りです。(動作は先ほどの配列版と同じです。)
◆ユーザの入力欄:
◆文字列リスト:
上記のサンプルでも、『上記の入力内容を、以下の各行の先頭に追加』ボタンを押すたびに、全行頭に指定の文字列(デフォルトでは「★」)が挿入されます。
HTMLソースとJavaScriptソースは以下の通りです。
HTMLソース
◆ユーザの入力欄: <input type="text" size="30" id="sampleUserInput" value="です!"> <input type="button" value="上記の入力内容を、以下の先頭に追加" onclick="AddStringToEachLine();"> ◆文字列リスト: <textarea cols="30" rows="6" id="sampleTargetLines">北海道 東京都 大阪府 </textarea>
最初にinput要素で入力欄を作り、次にinput要素でボタンを作り、最後にtextarea要素で結果表示欄を作っています。textarea要素にはダミーの文字列を3行ほど記述しています。なお、入力欄の装飾に関する記述は省略しています。
スクリプトから利用するため、ユーザが入力するためのinput要素には「sampleUserInput」というid名を、表示結果のtextarea要素には「sampleTargetLines」というid名を、それぞれ加えています。
ボタンがクリックされると、この後で作成する関数「AddStringToEachLine」が実行されます。
JavaScriptソース
function AddStringToEachLine() { // ユーザの入力を得る var UserString = document.getElementById('sampleUserInput').value; // 対象文字列を得る var TargetString = document.getElementById('sampleTargetLines').value; // 先頭に改行を付加し、末尾に改行があれば(=最後に空行があれば)取り除く TargetString = "\n" + TargetString.replace(/\n$/,""); // 改行部分を対象にして処理 TargetString = TargetString.replace(/\n/g,("\n" + UserString)); // 先頭に付加した余分な改行を取り除く TargetString = TargetString.replace(/^\n/,""); // 書き戻す document.getElementById('sampleTargetLines').value = TargetString; }
上記のソースでは、以下のような処理をしています。
書き換えています。
単に「UserString」に置き換えただけだと、改行がなくなってしまうので注意して下さい。「”\n” + UserString」のように記述して、「改行」→「改行+指定文字」のように置き換える必要があります。
というわけで、複数行の文字列を対象にして、すべての行頭に任意の文字列を加える方法でした。
なお、行頭ではなく行末に文字列を加える方法は、別途「すべての行末に任意の文字列を追加する」で解説しています。
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