にしし ふぁくとりー:西村文宏 個人サイト

Presented by Nishishi via Movable Type. Last Updated: 2022/03/25. 10:38:50.

異文化コミュニケーションだぜー!

今日の帰宅途中、JR宝塚線 普通電車内でのこと。

大阪駅から、大声で独り言をつぶやく酔っぱらったおじさんが乗ってきました。相当酔ってるのか、目が据わってます。
あんまり近くに来ないで欲しいなあ……と思っていたら、その想いが引き寄せちゃったのか、座ったのは私の隣。酒臭いです。

隣といっても、2人分くらい座席を空けての隣だったので、ぴったりくっついていたわけではありません。
ただ、身体の左右で両手をバタバタさせて座席を叩いたり、両足でドンドン床を踏みならしたりして暴れてたので非常に迷惑です。(-_-;
酒臭いし。
口からは、たまに「暑いなあー」みたいな日本語も出てきましたが、基本的には宇宙語なようでした。
どこら辺の惑星から来たのかなあ。


私はそんな宇宙人には気づかないフリをしてずっと小説(紅牙のルビーウルフ)を読んでたんですが、突然そのおじさんが静かになったと思ったら、身体ごと私の方に向き直って何やら話しかけてきました。
一瞬、宇宙語だったらどうしよう!?と身構えたんですが――

「あー、伊丹ーまで、おー、どれくらい?」

日本語でした。
発音は不明瞭で所々余計な音が混じってますが、日本語のネイティブスピーカー並にイントネーションは正確でした。きっと地球生活長いんだろうなあ。
あんまり顔をじろじろ見るのも失礼だと思ったし、そもそも酒臭いのであんまり顔をそっちに向けたくはなかったんですが、コミュニケーションを求められたからにはそっちを見ないとダメだろうとも思ったので観察してみたところ、やっぱり目は据わってました。身体はこっち向いてるけど、目はどこか四次元の世界の一点を見ているようです。
何が見えてるんだろう?

もしかして、私じゃない誰かに話しかけてるのかな……?と思わなくもなかったんですが、一応回答してみました。

「大阪駅を出たところなので、あと5駅くらいです。」

乗ってたのが快速だったら2駅なんだけど、普通だったから正確に何駅なのかとっさには思い出せなかったんだけど、まあだいたい4~5駅だろうと思ったので言ってみました。
(今よく思い出してみると―― JR宝塚線は大阪-塚本-尼崎-塚口-猪名寺-伊丹だから、5駅であってます。よかった。)

私が答えて差し上げたところ、「あーそうですかーあっちぃなー」というあんまり返事になってない返事が返ってきて、また手をバタバタさせたり、足をドンドンさせたり、奇声を上げたり、忙しく活動を再開されました……。
これはもしかして暴れてるんじゃなくて、故郷の惑星の習慣か何かですか?

習慣なら仕方がありません。
自分と異なる文化・習慣を持っているからといって差別するのは良くありません。世界には様々な文化があるのです。彼らから見れば、電車内で静かに文庫本を読む行為の方が奇異に感じられるかも知れません。
それにしても酒臭いのだけは、ちょっとご勘弁願いたいのだがなあー。

尼崎駅を超えたあたりで、また私に話しかけてこられました。
どうやら、他人とコミュニケーションする際だけは、手も足も口もじっとしていられるようです。
手や足の活動を停止させてから身体がこっちを向くまでに3秒間くらいの沈黙があったので、もしかすると思考を地球モードに切り替えるのに3秒かかるのかも知れません。速いのか遅いのかよくわからないけど。
で、日本語でおっしゃるには

「伊丹、まだー?」

まあ、数えてないだろうなとは思ってましたが、やはり、駅の数は数えていなかったようです。5駅って教えて差し上げたのに……。まあ、正確に5駅だという確証は持ってなかったけど。
今、尼崎駅を超えたとこだったはずなので、残りはあと3駅です。
そこで、「さっきの駅が尼崎だったので、伊丹まではあと3駅です。」と答えて差し上げましたら、ずいぶん大声で感心されてしまいました。

「おー、本読んでんのに、よー気がついてるわ!
 本は読まなあかん。
 本は読まなあかんでえ!!」

なんとなくですが、私なりに翻訳してみたところ、私がずっと下を向いて本を読んでたのに現在位置を正しく把握してたことに感心されたようです。
「よー気がついてるわ!」の後に「本は読まなあかん」と続く理由がいまいちよく分からんのですが、まあでも褒められたっぽいです。

ちなみに関西弁が分からない人々のために解説しますと、「本は読まなあかん」とは「本は読まないとダメですよ」という意味です。つまり「本を読みなさい」ということですね。

さっきまで宇宙語を喋ってた人がなぜ関西弁なのか。
これは、今何かとニュースで話題のN○VAの昔のCMを思い出せば納得です。
確か、外国語を話す関西人のおばちゃんの後に、関西弁を喋る宇宙人が出てたはずです。宇宙で開講されてる日本語講座の講師はきっと関西人なんでしょう。

そのおじさん、何やら「本は読まなあかん」という日本語が気に入ったようで、足でドンドン床を踏みならしながら「本は読まなあかんでー」ばっかり連呼し始めました。

「本は読まなあかんでー」ドンドン(足で床を踏みならす音)
「本はー読まなあかんっ」バンバン(手で座席を叩く音)
「ふがどへべボボ××△☆◎…」(宇宙語)

電車内はずいぶん賑やかでした。私の隣だけだけど。
そういえば乗ってたのは先頭車両だったので、運転士さんにも聞こえてたんじゃないかなあ。ずいぶん大声だったし。

伊丹駅に着きそうになった頃には、故郷の惑星の習慣に疲れたのか、それとも必要な踊りはすべて完了したのか、ぐったりされてました。
このまま眠ったら乗り過ごしちゃうよなあ……。その場合、やはり私が起こして差し上げるべきなのかなあ……。などと心配していましたら、「まもなく伊丹、伊丹です」というアナウンスで無事に目を覚まされたようでした。
よかった……。宇宙人の起こし方は習ったことないので不安だったんですよね。

電車が伊丹駅に到着すると、立ち上がりつつ私にお辞儀をして

「どうもありがとうございました」

と丁寧に挨拶されて(でも酒臭い)、無事に下車されていきました……。

酒臭いけど丁寧な宇宙人さんだったなあ。
おお。よく考えたら異文化コミュニケーションだぜ。

JR宝塚線も国際化したもんだなあ。

ちなみに、JR伊丹駅前にはダイヤモンドシティという謎の街があったり、大阪空港(伊丹空港)行きのバスが出てたりします。
もしかしたら、宇宙行きのバスも出ているのかも知れません。
あ、出身惑星がどこなのか質問しておけば良かったかなー。

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にしし(西村文宏)

にししでございます。本書いたり記事書いたりしてます。あと萌えたり。著書5冊発売中です(Web製作系4冊+小説1冊)。著書や記事は「西村文宏」名義。記事は主にAll Aboutで連載。本の最新刊は2011年3月に発売されたライトノベルでございますよ。

Twitter:にしし/西村文宏
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