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Presented by Nishishi via Movable Type. Last Updated: 2023/08/23. 14:00:24.

JR車内の「開ける」ボタンと「閉める」ボタンに思うこと

JR西日本の(大阪周辺を走る)電車内には、扉の側に「開ける」ボタンと「閉じる」ボタンがあります。もちろん、扉は自動で開閉するので普段これらのボタンを押す必要はありません。しかし、夏季や冬季には(冷房や暖房での)車内温度を維持するため、長時間停車する駅に限ってこれらのボタンを使って乗客が扉を開け閉めします。(主に終点駅や特急・快速の追い越し待ちをする普通電車など)

さて、この「開ける」ボタンと「閉じる」ボタンですが、車内にしか付いていません。車外には「開ける」ボタンただ1つがあるのみです。
「乗車する」際の状況を考えるとそれでも十分な気がします。

  1. 車外にある「開ける」ボタンを押して扉を開け
  2. 車内にある「閉じる」ボタンを押して扉を閉める

という動作です。しかし、これでは「下車する」場合にちょっと困ります。JR側の想定した乗客の動作は次のようなものでしょう。

  1. 車内にある「開ける」ボタンを押して扉を開ける
  2. 下車する

しかーし。これでは困るのです。下車する本人も気がとがめますし、車内に残っている人々も苛立ちます。なぜなら、扉は「開きっぱなし」の状態になるからです。車外には「開ける」ボタンしか存在しないため、車外に出た人間が扉を閉めることはできません。これは非常によろしくないのです。

  • 下車する本人: 自分で扉を開けたのに、閉めることができず開けたまま放置するのがマナー的によろしくないと感じる。
  • 車内の人間: 保温のために閉められるようになっているのに、人が降りるたびに扉が開けっ放しになってしまうのに腹が立つ。

で、これには解決策があって、私も含めた慣れた人々なら、次のように動作して下車します。

  1. 車内にある「開ける」ボタンを押して扉を開け、
  2. そのボタンのすぐ下にある「閉じる」ボタンに手を掛けたまま、扉から下車
  3. 自分の身体が車外に出ると同時に、あらかじめ手を掛けておいた「閉じる」ボタンを押し、
  4. 扉が閉まりきらないうちに、さっと手を引き抜く

こうすると、自分が下車した瞬間に扉を閉じることができます。
もうこの動作を行うことは、JR乗車時のマナーと言っても過言ではありません。(笑)

しかしですね。たまーに次のような方々を目撃します。

  • 自分の身体が扉を完全に越えないうちに「閉じる」ボタンを押してしまって、扉に挟まれる人

端から見て大変間抜けです。本人もきっと相当恥ずかしいと思います。自分で閉めた扉に挟まれて身動きが取れなくなるんですからね。(^_^;;;

JRの扉には、エレベータのように人が挟まったら自動で開いてくれるような仕組みはありません。扉に挟まれると、自ら「開ける」ボタンを押して扉を開けるか、誰かが「開ける」ボタンを押して開けてくれるのを待つか、強引に(閉じる方向に力が働いている)扉を押して脱出するしかありません。
「閉じる」ボタンのすぐそばに「開ける」ボタンはあるのですが、予期せぬ事態(自らの身体が『自ら閉じた』扉に挟まれるという事態)に大抵の人々は気が動転し、自分では扉を開けられません。(^_^;;;

まあ、こんな問題もあるんですが、それ以上に多いのは、次のような人々です。

  1. 下車したあと、車外にある「開ける」ボタンを連打
  2. しかし扉は閉まらないことに気付き、そのまま去っていく

乗車時には、「車外のボタンを押して扉を開け、車内のボタンを押して扉を閉じた」んだから、下車時にも同様に、「車内のボタンを押して扉を開け、車外のボタンを押して扉を閉じられるはずだ」と考えるのは何の不思議もありません。

しかーし!

車外にあるのは「開ける」ボタンただ1つなので、車外に出た人には扉は閉められないんですよねー。
3~4回車外の「開ける」ボタンを連打した後、閉められないことに気付き、そのまま去っていく人が結構居ます。中には機転を利かせて、車内の「閉じる」ボタンに手を伸ばして押して出て行く人も居ますが。

まあとにかく、JRの新型車両でも、このような仕様になっているのです。
実際のところ、扉が手動扱いになる駅はそんなに多くありません。たまたま私の行動範囲内には2駅もありますが(笑)、たとえばJR京都線・神戸線・環状線・学研都市線あたりを使っている人々には1駅もそんな駅はないでしょう。基本的には山にある駅のみで行われる措置です。
なので、この仕様にJRがあんまり気を遣わなかったとしても不思議ではありません。

で、ここまでで1,700文字も書いてますが、これが前置き。ここからが本題です。(笑)

ボタンは1つでいいんじゃないか

電車内には、「開ける」ボタンと「閉じる」ボタンの2つがあります。電車外には「開ける」ボタン1つしかなく閉じる機能はありません。
しかしですね。エレベータと違って、このJRの扉は自動で閉まることはありません。(発車前に車掌によって一斉に閉められることはありますが)
つまり、開けたら開きっぱなし、閉めたら閉まりっぱなしです。
すると、ボタンは1つで十分なんじゃないでしょうか。ボタンは1つだけで、次の機能を持たせれば良いのです。

扉が開いているときに押せば閉まり、扉が閉まっているとき押せば開く

このボタン1つだけで十分です。
すると、扉の状態がどうであれ、

  • 出たいときに閉まっているなら押す(→扉が開く)
  • 出たあとに開いているなら押す(→扉が閉まる)

となります。どのボタンを押すか考える必要はありません。ただそこにあるボタンを押せばいいだけです。
これなら、車外にあるボタンが1つだけでも大丈夫です。

先ほども書きましたが、実際に下記のような行動をする人々がたくさん居ます。

  1. 下車したあと、車外にある「開ける」ボタンを連打
  2. しかし扉は閉まらないことに気付き、そのまま去っていく

このことを考えても、「車外にあるたった1つのボタンが、開閉両方の機能を備えている」と想像することは自然なんじゃないかと思います。

世の中を見渡しても、「ON/OFF」・「入/切」・「開/閉」が1つのボタンで実現されている機械はたくさんありますし。CDやDVDのスロットとか。電灯とかテレビの電源とか。

※エレベータの場合は、扉は一定時間後に自動的に閉まります。その場合、「開け続けたい場合」と「さっさと閉めたい場合」の2通りの動作が必要なため、ボタンを1つにはできません。(押し続けた場合と、押してすぐ離した場合とで機能を分けることも可能でしょうが、ちょっとややこしいですかね。^^; 今さらその操作方法を周知するのも難しいでしょうし。)

どうですかね? JRさん。
現在、車外にあるボタンに「閉じる」機能を付加することはできないもんでしょうか。(笑)
物理的にボタンを追加する必要はないので! 物理的にボタンを追加するよりかは、既存のボタンに機能を加える方が楽なんじゃないかと思ったりするわけですが。

……まあ、そんな要望をしても、利用する乗客数(駅数)が少ない以上、実現することはないと思いますが。(^_^;;;
新しい車両を設計する際にはぜひご検討下さい。(笑)


なぜ、JRは車外に「開ける」ボタンしか置かなかったんでしょうか?
車外に2つもボタンを配置したくなかったんですかね? ボタンが2つあると、どっちを押せばいいのかとっさには判断できない可能性がありますから。これは、エレベータの開閉ボタンでもよく言われることですね。どっちを押せば扉がどうなるか分からないと。
乗車するときには急いでいる可能性もありますし。

どうなんでしょ?
……と、こんなネタに3,000文字も書いちゃったり。

コメント

すばらしい考察文です。JR立川から青梅行きがこの仕様でした(2023.8.16時点)。私は「あける」だけ押して、後は、きっと自動的に開けた分は閉まるのだろうと思って、ゆうゆうと途中の羽村駅で降りました。あれは、きっと誰かがすわっている席から立ってドアのところまで来て、「しめる」をあわてて、押したんですね。中に残っていた人に申し訳ないことをしてしまいました。降りるときに、急にあんなボタンがあって、皆、知らん顔をして前を向いて(スマホをいじって)いるので、自分さえ、降りれば、きっと後は誰かが何かをしれくれるシステムになっているだろうと思っていました。現に電車は、何事もなく、発車していきましたから。

そういえば、降りるとき、誰かが、私の前へ腕を伸ばして何かやったような記憶もありますが。あれは私が「あける」を押した直後「しめる」を押して誰か一緒に降りた人がいたのかな?とっさのことで覚えていません。降りられた解放感だけに浸っていました。

投稿者 ちゃちょ : 2023年08月21日 22:45

コメント数: 1件

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にしし(西村文宏)

にししでございます。本書いたり記事書いたりしてます。あと萌えたり。著書5冊発売中です(Web製作系4冊+小説1冊)。著書や記事は「西村文宏」名義。記事は主にAll Aboutで連載。本の最新刊は2011年3月に発売されたライトノベルでございますよ。

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