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圧着葉書にある(郵)(便)(は)(が)(き)の5つの穴の謎

葉書サイズよりも大きな紙に両面印刷して、葉書サイズに折りたたんだ上で圧着することで「葉書」として郵送してくる圧着葉書がよくありますよね。
これには、写真にあるように、5つの丸い穴が空いている物があります。
圧着された状態で見ると、中面に印刷された「郵便はがき」の5文字が見えるようになっているわけですが……

圧着葉書の1枚目には5つの穴が空いています。 重ねると、圧着葉書の2面目にある「郵便はがき」の文字が見えます。

……なんで、こんな不思議なことをする必要があるの?(^_^;;;

上記の写真は「ねんきん定期便」の葉書ですが、他にもクレジットカード会社からの明細葉書も同様に5つの穴が開けられていました。中には、表面(折りたたんだ1枚目)の大きさを少しだけ小さめに作ることで、中面(折りたたんだ2枚目)に書かれた「郵便はがき」の文字が見えるようにしているものもありました。

なんで圧着葉書がこんな面倒な仕様になっているのか、何のためにわざわざ穴を開ける必要があるのか、今更ながらに不思議に思いました……ので、とりあえずググってみました。^^;
その結果、どうやら、郵便葉書の仕様が定められた「内国郵便約款」に含まれている以下の2点の規則が影響しているっぽいことが分かりました。

  1. 葉書には、薄い紙を(容易に剥がれないよう密着させて)添付することができる。
  2. 葉書表面には、「郵便はがき」と明瞭に表示する必要がある。

この2点から、

  1. 3つ折りされた紙の、「2面目」が「葉書本体」であると解釈すると、1面目と3面目を添付物と見なせる。
  2. 本体である「2面目」には、「郵便はがき」と表示して、はっきり見せる必要がある。

……というわけで、「穴あき」だったり「1面目だけを小さめに作成」したりする圧着葉書の仕様ができあがった……と、いうことなんでしょうかね?

「1」の解釈が正しいのかどうかよくわかりませんが。
もし、「葉書」として認められる厚さ以内であれば、薄い紙を何枚でも密着させられる……というのであれば、別に「折りたたんだ2面目」を葉書本体とする必要はないわけですからね。それなら素直に1面目を葉書本体にすれば良いわけで。
もし、葉書の表裏両面に「それぞれ1枚ずつ」しか貼れないのであれば、わざわざ2面目を本体として解釈させる意味は分かりますが。
どうなのかな?

郵便局サイトで公開されている「内国郵便約款」(←リンク先PDF注意)には、以下のように書かれています。

第22条 私製葉書の規格及び様式
(6) 表面の上部又は左側部(横に長く使用するものにあっては、右側部)の中央に、通常葉書にあっては「郵便はがき」又はこれに相当する文字を、往復葉書の往信部及び返信部にあっては「郵便往復はがき」又はこれに相当する文字を明瞭に表示したものであること。
第24条 郵便葉書に浮出添付等のできる範囲
2 郵便葉書は、他の物を添付して差し出すことはできません。ただし、薄い紙又はこれに類する物を第22条(私製葉書の規格及び様式)第1項(3)の条件を満たし、かつ、容易にはがれないよう全面を密着させたもので、次に掲げるもの以外のものは、この限りでありません。
(1) 郵便葉書とこれに添付した物との間にあり、かつ、これらから分離して使用する物を添付したもの
(2) 料金支払のための郵便切手以外の郵便切手(記念のため通信日付印の押印を受けたものを除きます。)又はこれに類する物を表面に添付したもの

この第24条の文面からすると、長い紙を3つ折りにして、1面目を葉書本体にしても特に問題なさそうに思えるんですが。2面目も3面目も別に「分離して使用するもの」ではないわけですし……。もっと、他の条項に、関係する制約があるんですかね……?

それにしても、「次に掲げるもの以外のものは、この限りでありません」という二重否定の文面は、一瞬では理解しにくいです。(^_^;)
「この限り」というのは「差し出せない」ということを指しているわけですから、
→「次に掲げるもの以外のものは、差し出すことはできます」
→「次に掲げるものは、差し出せません」
ということですよね。^^;
第24条の上記引用部分を簡単に言えば、「原則として添付物を付けての郵送はできない。でも、薄い紙を全面に密着させたものなら郵送できる。でも、次の(1)・(2)に該当する場合はダメよ。」ということですよね?^^;

まあ、というわけで。
圧着葉書に丸い5つの穴が空いている理由をググってみた話でした。^^;
ちょっとまだ、もやっとした感じは残っています。(^_^;;;
なんで、2面目を本体にしなきゃいけないのか……?^^;

参考サイト:

追記(1/28): 本体に密着しているかどうか&紙の大きさ

mixi側でもいろいろコメントを頂きまして、一番腑に落ちたのは以下の考え方でした。

  • 2枚目が葉書本体なら1枚目と3枚目は本体に密着していると言える。4枚以上にすると、本体に密着していない紙が出てくることになってしまう。
  • 一方で、「4枚あるのではない、1枚の大きな紙だ」と主張すると、「葉書のサイズを超える大きな紙だから、定形外郵便だと見なす」と言われてしまい、50円では送れなくなる。

……というわけで。この解釈が(私の中では)かなり納得できました。^^;

コメント

単に圧着はがきであることを強調する目的ではないでしょうか?
内容を読んでもらうためにははがしてもらわないといけないので
2枚目にも印刷があることを視覚的に伝えたいのではないかと推測します

投稿者 通りすがり : 2015年08月04日 13:54

たしかに、そういう意図も考えられますね。

投稿者 にしし : 2015年08月10日 16:14

コメント数: 2件

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にしし(西村文宏)

にししでございます。本書いたり記事書いたりしてます。あと萌えたり。著書5冊発売中です(Web製作系4冊+小説1冊)。著書や記事は「西村文宏」名義。記事は主にAll Aboutで連載。本の最新刊は2011年3月に発売されたライトノベルでございますよ。

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