12時36分23秒 [税金・経済]
マイナンバーカードの有効期間は10年なんですけども、そのマイナンバーカードのICに記録されている電子証明書の有効期間は何故か5年なので、私の場合はそろそろ更新時期です。有効期限日は(発行日とは関係なく)各自の誕生日になっていて、3ヶ月前から更新できます。
私はカレンダーにメモっていたので事前に日付を把握していたのですけども、よくよく調べてみると自力で把握していなくても、更新可能日になると封書で連絡が来るようでした。
で、更新可能になる日程が分かっていたとはいえ、もしかしたらその封書に含まれている書類がないと更新手続きができない可能性もあるな、と思ったので、封書の到着を待ってから手続きすることにしました。(結果的には、封書の中身はなくても良くて、本人がマイナンバーカードを持っていけばそれで済んだのですけども。)
なお、マイナンバーカードを使ってマイナポータルにログインすると、「期限まで3ヶ月やで」というアラートは表示されていましたから、この辺からでも有効期限の存在は分かるようです。とはいえ、マイナポータルにログインする機会自体が滅多にありませんけどもね。^^;
今回はあくまでも「電子証明書の有効期限が切れただけ」なので、別に更新に行かなくても身分証としては(あと5年は)そのまま使い続けられます(※)。
が、電子証明書がないと確定申告の電子申告ができないので困ります。なので、次の確定申告の時期までに更新しておく必要があるのです。
有効期限日は常に「本人の誕生日」に固定されていますから、早めに更新に行ったからといって次の有効期限が早くなることはありません。なので、都合の良いときに行けば良いでしょう。
※マイナンバーカードを健康保険証として利用する場合は、電子証明書の有効期限が切れると保険証としても使えなくなるので、やはり5年での更新が必要です。……この制度、ちょっと運用面で無理がありませんかね? もし紙の保険証が廃止されてマイナンバーカードに統合されるのだとしたら、事実上は全国民が5年ごとに窓口でこの更新手続きをしないといけなくなるわけで。
更新が可能になった日から5日後くらいに、『マイナンバーカード・電子証明書 有効期限通知書 在中』と書かれた封書が届きました。日数から考えて、たぶん「更新可能になった日」あたりに書類を作成して送付しているのでしょうね。差出人としては地元の市役所であるかのように印字されていましたが、中の案内を読むと「お住まいの市区町村の窓口で云々」とか「更新手続きは予約制になっている市区町村もありますので云々」みたいな書き方がしてあったので、本当の差出人は市役所ではなさそうな感じでした。
更新手続きとしては、マイナンバーカードと有効期限通知書を持ってくるように書かれていますが、有効期限通知書に関しては「※お忘れでも手続き可能です」と書かれていて、実際に窓口へ行ったところ、所有の確認すらされませんでした。^^; なので別に要らないようです。まあ確かに、有効期限通知書に書いてあることは本人の住所氏名や有効期限、更新可能期間だけなので、マイナンバーカードがあればそれですべて分かることしか書かれていないよな、とは思いました。
更新費用は無料ですけども、わざわざ窓口まで出向かないといけないので手間が掛かるのですよね。とはいえ、住民基本台帳カード時代の電子証明書だと500円の更新料が必要だったように記憶していますので、まあ無料になっただけマシではあります。
しかし、マイナンバーカードそのものと同じように、有効期間を10年にしてくれれば手間を半分にできるのですけども……。
届いた封書には、手続きを代理人に任せられる委任状が最初から同封されていました。その点がもう『パスワードの設定方法とか分からない年代の人は、分かる人に代わりに行ってもらってくれ』と言っているような気がしました。^^;
委任状には、各種パスワードを手書きできるようになっていて、それを同封の封筒に入れて密封して代理人に渡せば、役所の職員が開封して代わりに更新手続きをしてくれるのだとか。その場合、パスワードが役所の職員にバレる問題があると思うのですけども、マイナンバーカードの運用形態自体が「パスワードは役人にバラすもの」という感じになっていたので(後述)、「その程度のセキュリティ意識で運用されている」という認識で居た方が良い気はします。
さて、私が住んでいる市の市役所のウェブサイトで調べたところ、特に予約は不要なようでしたから、朝一で突撃してきました。(※新規発行カードの受け取りの場合は予約制ですが、更新手続きなら予約なしで構わないようでした。)
更新に掛かった時間はだいたい10分くらいで、行けばすぐに窓口に案内されて待ち時間はありませんでした。
今はマイナンバーカードの取得特典第2弾が実施中な関係で、「カードの新規発行が増えているから窓口は混雑するかもよ」というような注意書きは事前に目にしていたのですけども、実際に行ったところ特にそんな混雑はありませんでした。
時間帯が朝一だったからかも知れませんけども。
紙の健康保険証が廃止されてマイナンバーカードに統合されるというような報道があって以後、マイナンバーカードの発行申請が増えたというような報道がありました(本当にそうなるのだとしたら申請する以外に方法がありませんしね……)。ただ、そのタイミングで発行申請をした人は、さすがにまだ発行には至っていないと思います(申請から発行までに1ヶ月くらいは掛かりますから)。で、それが原因の混雑が1~2ヶ月後にはあるかもしれませんから、(更新期限まで3ヶ月の余裕があるとはいえ)早めに手続きに行っておく方が良いよな、と思ったのでした。
私が窓口に着いたときには私以外に1人しか居なかったのですけども、私の手続き中に3~4人くらいは来ていた気がします。職員が何人常駐しているのか分かりませんが、私が居た時間帯では誰も待たずに手続きを開始できているようでした。
マイナンバーカードを手渡して、紙の書類を書いて、パスワード2種類(英数字混在のと、数字4桁の)を入力する以外は、ひたすら職員さんがPCで操作するのを待つだけです。
画面が見えないので何を操作しているのかは分かりませんでしたが、職員さん側のクリック数は多かったです。カチカチカチカチいろいろマウス操作が必要なようでした。少なくとも「更新!」というボタンを1つ押すだけでは済まないようですね。^^;
持っていくのはマイナンバーカードだけで良いのですけども、窓口ではまず紙の書類を書かされます。住所と氏名と電話番号と、最後に「確かに説明を聞いて受けとりました」的な意味の署名があった気がします(※カードの返却も説明もまだ受けていない段階で、最初に書いてくれと言われました)。役所の書類ではよく「1枚の書類に同じ名前を2カ所に書かせる」という謎の様式がありますが、ここでも同様でした。しかし、印鑑は不要でしたから多少は改善されていると言えますけども。(^_^;)
持参したマイナンバーカードで住所も氏名も分かるハズなので、本人が紙に手書きする必要性がよく分かりませんが、市役所とはそういうところなので別に文句はありません。まあ、市役所の事務作業的に「この人の更新をしましたよ」という証拠が紙で必要なのでしょうね。それも電子的なログで済ませてくれるようになると良いのですけども。今後、本当に全国民に5年ごとにこの手続きをさせようとするなら、もっとさらに簡素化しないと窓口運営が大変になるのではないかな、とは思いました。
まあ、その点はどうでも良いんですが、相変わらず一番マズいのがセキュリティ意識です。
パスワードはタッチディスプレイに表示されたソフトキーボードを使ってペンで入力するスタイルだったのですが、ディスプレイは(普通のPC用ディスプレイのように机に対して垂直に立っているので)背後から丸見えでショルダーハッキングし放題です。私が行ったときには待機列がなかったので背後に人は居ませんでしたけども。(もうちょっと銀行ATMみたいに、角度的に後ろから見えなくするような配慮が必要だと思います。)
しかも、パスワードの入力画面では入力内容をマスクする仕様(=何を入力しても「*」等の記号で隠してくれる仕様)が存在するにも関わらず、わざわざ最初に「パスワードを表示」ボタンを押して画面上に入力文字を表示させることを求められるので、入力内容はダダ漏れでした。
こちらが入力している画面が、職員側のディスプレイには映っていないならまだマシですが、どうも見えている気がしました。なぜかというと、入力後に「『確認』を押して下さい」みたいな感じで案内されましたから。少なくとも「入力が終わった」ことは伝わっているわけです。
『こちらの画面では全文字が見えていながら、職員側の画面には「*」でマスクされている』というような仕組みがある可能性はありますけども、その場合、最初に「パスワード表示ボタンを押せ」という指示をする意味が薄そうな気がしますので、やはり見えているのではないでしょうかね……?
まあ、気持ちは分からなくはないのですけどもね。
ほぼ強制的に全国民に発行するようなシステムで、世の中にはいろーんな人が居るわけですから、臨機応変に対応するのは面倒なので、入力内容は全部職員側に見えるようにしておいて、もし「パスワードが違う」というエラーが出た場合には、「実際に入力した内容」と「当人が入力しようとした内容」とを比較して間違い箇所を指摘できる方が対応が楽でしょうからね。
というわけで、役所の窓口にセキュリティはない、という前提で考えておく方が無難でしょう。
……という手順を踏む方が安全だと思います。(特に他で使い回しているパスワードを使わないように!)
マイナンバーカード1枚でいろいろできるようになること(=健康保険証や運転免許証を兼ねるとか年金の確認ができるとか税金の電子申告ができるとか)が便利だという点を否定する気は一切ないのですが、運用面で不安を感じるのは、まさしくこういう点からなんですよね。^^; 番号を扱う側にセキュリティ意識はあるのか、という。もちろん、番号が漏れてパスワードも漏れても、カード自体が盗まれなければ不正利用はできないと思いますけども、だからといって「漏れて良い」というわけではありませんから。
役所にセキュリティ意識がないことは、もう住民基本台帳カードの時代から分かっていたことなので(当時はすんごく大きなディスプレイに入力パスワードが丸見えで、ショルダーハッキングの意図がなくても背後の待機椅子に座っているだけで入力内容が読めるような環境でしたし)、特に驚くこともなく、「ああ、まだこういうレベルなのね」と再認識しただけです。(当時よりディスプレイは小さくなっていたのでマシではあります。^^;)
この辺は、役所によって異なるだろうとは思いますけども。もっと都会な役所なら、もうちょっとセキュリティ意識はあるんでしょうか。
なお、更新から24時間はパスワードの変更ができず、パスワードを使ったログイン操作もできないと案内されました(手続きを始める前に)。
なんでそんなに時間が掛かる仕組みになっているのでしょうね?(たしかに、コンビニ店頭コピー機での書類交付とか、e-Taxとか、マイナンバーカードが使える外部サービスはありますけども、認証部分はデジタル庁のシステムで一元管理されているわけではないのかな……と思うのですけども。そういうわけでもないのかな。)
なので、確定申告の期限ギリギリとかに更新しようとするのは避ける方が良いでしょう。(^_^;)
そんな人が居るかどうかは分かりませんけども。
たぶん、行政側も「マイナンバーカードはそんなに頻繁に使うものではないから24時間くらい使えなくても問題あるまい」という考えなのだと思います。実際その通りですし。もっと使えるサービスが増えれば話は別かもしれませんけども。
私の場合は特に問題なかったのですけども、その情報はもっと早い段階で(=有効期限通知書で)教えてくれる方が良いのではないかな……と思ったので、有効期限通知書に同封されていた案内を再度見てみると、
更新当日は、健康保険証、コンビニ交付等のサービスを利用できない場合があります。また、e-Tax等、更新当日に利用できないサービスもありますので、各サービスの利用案内等をご確認ください。
という注釈が書いてありました。
ここには「24時間」とは書かれていないのですけども、市役所の窓口では(問い合わせを避けるためにか)安全マージンを確保して「24時間」という言い方をしているのかもしれません。
市役所の職員さんはちゃんと手順を間違わずに更新してくれたのかな……という一抹の不安はあったのですけども、最後に渡された紙の書類2枚で、「まあ更新はできたんだろうな」とは思えました。渡されたのは、
です。
シリアルナンバーが入っているので、ちゃんと更新処理はできたということなんだろう、と思いました。いや、番号がテキトーである可能性もないとは言えませんけども。(笑) シリアルナンバーをわざわざ印字しているのは、たぶん何か問題があったときのトラブルシューティングのためでしょう。なので、少なくとも「その処理は実行されたのだな」という印象は受けました。
翌朝に自宅のPCで、ICカードリーダとマイナンバーカードを使ってマイナポータルにログインしてみたところ、有効期限はちゃんと更新されていることが分かりました。その場でパスワードも変更しました。なお、マイナポータルのURLは https://myna.go.jp/ です。
マイナポータルで、マイナンバーカードのパスワードを変更する作業は簡単なんですが、「メニュー」ボタンを押してもパスワード変更のための項目は出てきません。ログイン中であることを示す「ログイン」ボタンを押すと、そこにパスワード変更のメニュー項目があります。(最初にログインするときに押すボタンなので、再度そのボタンを押すという発想になかなか至りませんでした。^^;)
➡マイナポータルFAQ「マイナンバーカードのパスワードを変更することはできますか。」
なお、ICカードリーダとPCを所有していなくても、マイナンバーカードの読み書きに対応したスマートフォンがあればそれを使って変更できます。
私がPCにUSB接続で使っているのは、SONY製のPaSoRi RC-S380です。
というわけで、マイナンバーカードの電子証明書更新手続きに行ってきた話でした。
想定の範囲内での(窓口セキュリティ面での)問題はありましたが、更新自体は10分程度ですぐでした。(最初に紙の書類を書かせる手順をスキップすれば、5分で済むと思いますけども。全国民に5年ごとに手続きさせるなら、それくらい簡素化しないと窓口が大変でしょう。)
先日たまたまNewsweekサイト上で、フランス在住の日本人記者が書いた「日本のマイナンバーカードとフランスのIDカード・社会サービスの情報システム」という記事を読みました。
たしかに、(窓口のセキュリティ意識に問題があったとはいえ)何もせずに昔ながらの紙ベースな行政手続きが継続するよりは遙かに遙かにマシです。電子化・ネット化の流れ自体は望ましいことです。実際に、(これはマイナンバーカードより前の住民基本台帳カードの時代からできたことですが)確定申告が自宅PC上でネット経由だけで済むようになったのは極めて便利ですし。今後はたぶん、過去の投薬履歴とかもネットで確認できるようになるのでしょうし(そこはちょっと期待しています)。
運用面の問題は、たぶん次第には改善されていくでしょう。たぶん。たぶん。日本のことなので、ずいぶん時間はかかるのでしょうけども。せっかくデジタル庁を作ったので、国民から意見を吸い上げて早めに改善してくれることを期待しています。
とりあえず個人的には、電子証明書の有効期間をカード自体と同じ10年にして欲しいです。
あとは、「マイナンバーカードがあれば便利になる」という状態に留めて欲しいですね。「マイナンバーカードがないと何もできない」という状況は行きすぎに感じます。先の記事に書かれているフランスの例のように、「カードがあれば早く便利になるが、ないならないで時間は掛かるが同じサービスは受けられる」という状況が理想的なように感じます。逆に(Newsweek今週号に記事が出ていたんですが)韓国では「カード(というか番号)がなければ何もできない」というケースがあるようで、それは行きすぎで危うく感じます。「あれば極めて便利だが、なくても大丈夫」くらいの良い感じのバランスで進化してくれると良いなあ、と思います。
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