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Presented by Nishishi via Movable Type. Last Updated: 2022/03/25. 10:34:59.

Windows7のリカバリで出る「新しいパーティションを作成できませんでした」エラーの原因と対処方法

いやあ、なかなか盲点でした。
PCメーカー添付のリカバリー用DVD-ROMを使って、Windows7のリカバリ(回復)インストールを実施していたところ、既存HDDのCドライブ用パーティションを開放(削除)した後で、何度再起動しても、『選択された使用されていない領域に新しいパーティションを作成できませんでした。[エラー:0x80042407]』というエラーメッセージが出てしまって、インストールが続行できないトラブルに遭遇しました。

選択された使用されていない領域に新しいパーティションを作成できませんでした。[エラー:0x80042407]

最終的には、原因も判明し、解決もできたんですが、なかなか盲点でした。^^;

パーティションが作成できないエラーの原因3つ

私が遭遇した問題の原因は、以下のようなものです。

  • (仕様上の)原因1: Windows7の回復インストーラが、何故かインストール先HDDにパーティションを2つ作成する
  • (仕様上の)原因2: 1台のHDDには、パーティションは最大4つまでしか作成できない。
  • (環境上の)原因3: 既にHDD内にパーティションが3つある状態では、(追加で作成可能なパーティション数が残り1つなので)パーティションを2つ作成しようとしてもできない。

この「原因3」がエラー発生の原因でした。
これが分かれば対処は簡単です。方法はいろいろあるでしょうが、例えば以下の方法があります。

  • 対処方法1: 既にあるパーティション2つを、「パーティション」ではなく「論理ドライブ」(=拡張パーティション内に作成するドライブ)2つに変換する。
  • 対処方法2: もし要らないのであれば、パーティションを1つ削除する。

どちらの方法も、要するには、『HDD内にプライマリ(基本)パーティションをあと2つ作成可能な状態にする』ということです。
Windows7の回復インストーラで、インストール先にHDD内の開放領域(未割り当て領域)を指定すると、なぜかプライマリパーティションを2つ作成しようとするので。

▼今回のケースで私が採った方法は

私の場合は、全ドライブのバックアップは存在する状況だったので、「対処方法2」の方法で一旦パーティション数を減らして、Windows7の回復インストールを完了させた後に、新たに拡張パーティションを作成して、そこに論理ドライブを2つ作成する(対処方法2の)方法で対処しました。

なお、このトラブルに遭遇するよりも前に対策が可能なのであれば、以下の方法でも行けそうな気がします。

  • 対処方法3: 回復インストールする先のパーティション(Cドライブ用の領域)を、事前に用意しておく。

この方法だと、回復インストーラは、指定したパーティションにWindowsをインストールするだけで、特に新たなパーティションを作成しようとはしなかったので。既存のシステムファイルを(後で自力で削除するなど)特に削除しなくても良いのであれば、この方法が楽そうです。^^;

▼既存のCドライブ領域を開放しさえすれば、そこに再インストールできると考えたのが落とし穴

しかしまあ、よく考えれば当たり前のことです。

  • 「HDD内にパーティションは4つまで」
  • 「インストーラが強制的にパーティションを2つ作成するなら、既存パーティションは2つ以下にしておく必要がある」

……ということですから。
でも、今までWindowsが動作していた環境で、WindowsがインストールされていたCドライブ用のパーティションを1つ開放すれば、そこに新たにWindowsを回復インストールできるはずだ、と考えるのはおかしいことではないと思います。(^_^;;;
その考えが根底にあったので、パーティション数の制限に思い至るのにずいぶんと時間が掛かってしまいました。(^_^;;;

というわけで概要は以上です。
以下に、今回のエラーの原因や対処方法について、詳しく書いておきます。

Windows7のインストーラが、インストール先HDDにパーティションを2つ作成する

なんで、パーティションを2つ作成しようとする仕様なのか、ちょっと疑問なのですが。
これが、すべてのWindows7に該当するのか、それとも特定の環境でのみそうするのかどうかは分かりません。ただ、

  1. PCメーカー提供のWindows7回復DVD-ROMから起動して、Windowsの再インストールを試みた際、
  2. 従来のWindowsが動作していたCドライブ用のパーティションを開放して、HDD内に「未割り当て」領域を作成し、
  3. その「未割り当て」領域を再インストール先に指定して回復インストールを実行する

……と、なぜか、

  1. 未割り当て領域から、100MB程度の小さな空間を切り出して第1パーティションを作成し、
  2. 残りの未割り当て領域から、ユーザの指定したサイズで第2パーティションを作成し、
  3. Windows7は、その第2パーティションにインストール

……しようとするんですよね。
最初の100MB程度の小さな領域を何に使っているのかは分かりませんが。
今使っているWindows7稼働PCで確認してみたところ、Windows7は第1パーティションにインストールされており、HDDの先頭に100MB程度の小さなパーティションは存在していないように見えます。

とすると、この100MB程度の小さなパーティションは必ずしも必要というわけではないのですよね。
でも、回復インストールするインストーラが強制的に作成してしまうので、その「パーティションを2つ作成しようとする」処理自体は回避しようがありませんでした。

1台のHDDには、パーティションは最大4つまでしか作成できない

1台のHDDに、パーティションそのものは4つまでしか作成できません。
ただ、パーティションのうち1つを「拡張パーティション」にすることで、その「拡張パーティション」内に仮想的なパーティション(論理ドライブ)を複数作成することは可能です。なので、事実上、1台のHDDに5つ以上のドライブを作成することは可能です。

今回のようなケースでは、各パーティションが基本パーティションなのか拡張パーティションなのかを把握しておくことが重要ですね。(^_^;)
こういうトラブルを未然に防ぐためには、

  • Cドライブ用のパーティションだけを、プライマリ(基本)パーティションにする
  • それ以外のドライブは全部、拡張パーティション内の論理ドライブにする

という運用方式を採っておく方が良いような気がしました。
最近のメーカー製PCには、HDD内に不可視パーティションが確保されていて、そこにデバイスドライバなど(回復インストール時に利用する)データが入っていることがあります。なので、その領域のためにプライマリパーティションが1つ消費されています。
そのことも考えれば、事実上、自力で自由にできるパーティションは3つということになりますしね。

なお、パーティションの種類について詳しくは、以下の外部サイトなどを参考にどうぞ。
→「プライマリパーティションと拡張パーティション - Logitec」 (簡単な説明)
→「「プライマリパーティション」と「拡張パーティション」の違い」 (詳しい説明)

既にHDD内にパーティションが3つある状態では、回復インストーラがパーティションを2つ作成しようとしても不可能

今回のケースで、『選択された使用されていない領域に新しいパーティションを作成できませんでした。[エラー:0x80042407]』というエラーが出た直接の原因はこれです。

今回、回復インストールを実施したPCでは、以下のようなHDD構造になっていました。

回復インストールを実施する前のHDDのパーティション構成

  1. プライマリパーティション (システムドライブ)
  2. プライマリパーティション (データ用ドライブ1)
  3. 拡張パーティション (データ用ドライブ2)
  4. プライマリパーティション (メーカー側が用意した消去禁止領域)

パーティションは合計4つです。これ以上のパーティション分割は不可能です。この状況で、もしドライブを増やしたい場合には、拡張パーティション内に論理ドライブを作成する方法しかありません。(だからこそ、パーティションの1つは最初から拡張パーティションにしてあるわけですが。)

ここで、Cドライブとして使っている第1プライマリパーティションさえ削除すれば、そこにWindowsを再インストール可能だと考えるのは、おかしくありませんよね?(^_^;)
まさか、回復インストーラが、そこにパーティションを2つ作成しようとするとは予想していませんでした。

冒頭にも書きましたが、最終的には、以下のようなHDD構造にすることで、問題は解消しました。

  1. 新しいプライマリパーティション (回復インストーラが作成する極小領域)
  2. 新しいプライマリパーティション (回復インストーラがCドライブ用に作成)
  3. 拡張パーティション
    1. 論理ドライブ (データ用ドライブ1)
    2. 論理ドライブ (データ用ドライブ2)
  4. プライマリパーティション (メーカー側が用意した消去禁止領域)

これで、パーティションは4つです。

というわけで、回復インストールを実施するインストーラが、まさかプライマリパーティションを2つ作成する仕様だとは予想外だった……という話です。(^_^;)
このパーティション数の制限のためにエラーが発生するのだ、と気付くまでに結構な時間(と試行錯誤)が掛かってしまいました。(^_^;;;

同様のトラブルに遭遇した人が少しでも早く解決できるように、ここに記しておきます。(^_^;;;

(追記) 極小パーティションはBitLockerのため?

情報を頂きました。どうも、インストーラが作成する100MB程度の極小パーティションは、BitLockerなどのために確保される領域のようです。
→「ヒント: 不可解な小さなパーティションを理解して削除する」(Microsoft TechNet)
もしかすると、Windows7でも、Home Premiumなどの下位エディションであれば、このようなパーティションは作成されないのかも知れません……?(私が今回に回復させたのは、Windows7 Professionalでした。)

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にしし(西村文宏)

にししでございます。本書いたり記事書いたりしてます。あと萌えたり。著書5冊発売中です(Web製作系4冊+小説1冊)。著書や記事は「西村文宏」名義。記事は主にAll Aboutで連載。本の最新刊は2011年3月に発売されたライトノベルでございますよ。

Twitter:にしし/西村文宏
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