09時05分27秒 [雑誌]
Newton今月号(2014年4月号)の特集記事は、福島原発事故でした。
「福島原発1000日ドキュメント」と題して、86ページもの詳しい記事が載っていました。
すごく分かりやすいです。
この特集部分だけを抜き出して、現状報告書として広く配ったらいいんじゃないかと思うほど(^_^;)、原発施設でいつ何がどう起きたのか、原発内部がどうなったのか、今何が進んでいるのか等々が、写真や図を使って詳しく解説されています。
さすがNewtonだけあって、全ページがカラーですし、文章よりも図の面積の方が広いので(^_^;)、たぶん誰にでも読みやすいんじゃないかと思います。
地震発生直後から、福島原発の6つの原子炉それぞれについて、「何時何分に何が起こったのか」を時系列に示したタイムラインが詳細に載っていました。
何が発生して、何がどうなって、誰が何をしたのか、がよく分かります。
1号機~6号機で被害に差があったのは、交流電源が喪失した後に、直流電源が使用可能だったかどうかも要因の一つだったんですね。
航空写真や原発敷地内の写真もたくさん掲載されていますし、敷地や原発建屋、原子炉の内部などの解説図が豊富です。
特集記事自体も、
……など、時系列に並べて、どれも詳しい見開きの図を使って説明されていました。
めちゃくちゃ分かりやすいです。
現状の福島原発には問題がいろいろありますが、放射性物質を含む「汚染水」の問題も大きいですよね。際限なく増えていっちゃうわけで。その汚染水について、そもそも『なんで汚染水が増え続けるのか?』も詳しく説明されていて、よく分かりました。
汚染水が増えているとはいえ、「汚染水を浄化して再利用するシステム」自体は、とっくに設置されて稼働しているんですね。2011年6月には稼働していて、8月には国産(東芝製)の装置も加わって拡充されていたとか。
全長4kmの汚染水浄化(循環)システムができていて、汚染水は常に複数の装置を経由して処理されて、原子炉の冷却に再使用されていることがよく分かります。
ただ、その循環システムを経由しても、最終的に「濃縮塩水」という汚染水ができてしまう(100トンの汚染水を浄化すると、50トンの淡水と、50トンの濃縮塩水ができる)んですね。
問題は、(半分の水は淡水化できているものの)地下水が流入しちゃっていて、結局、「入ってくる水の量」と「汚染水の量」が同じになってしまっていると……。なので、まずはその地下水の流入を止める必要があって、そのための施策についても解説されていてよく分かりました。4月から工事が始まるようです。
そのほか、核燃料の移送方法、福島県での被爆調査と被曝量、除染作業、現状の原子炉内部の推測などの解説があったり、具体的にどうやって廃炉まで持って行くのか、チェルノブイリやスリーマイル島の原発事故では、どうやって対処したのか、核廃棄物の処理はどうするのか(どんな案が出ているのか)などの解説もありました。
原発事故の発生原因・事故内容・現在までの状況・今後の方針を知りたいなら、この86ページの特集記事を読めばいいんじゃないかと思います。
ニュースなどでも断片的に報道されているのを見かけはするんですが、何がどうなっているのか全容はよく分かんなかったんですけども。やっぱり、こうしてまとめられた資料を読むと、理解度が異なりますね。
凄く分かりやすい資料でした。
■Newton 2014年4月号 福島原発1000日ドキュメント(@Amazon.co.jp)
ちなみに、Newton 4月号は別に原発だけの記事を掲載しているわけではなく(^_^;)、前号に続く三角関数の記事とか、冒頭にはSTAP細胞についての解説記事もあります。
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